- 6月 13, 2026
- 6月 7, 2026
ホルモン補充療法(HRT)のメリット・デメリット
「更年期の症状がつらいけれど、ホルモン補充療法って大丈夫?」
「副作用が心配で踏み出せない」
更年期の治療としてよく耳にするホルモン補充療法(HRT)ですが、
メリットとデメリットの両方を正しく理解することが大切です。
この記事では、産婦人科専門医の視点から、HRTの特徴をやさしく解説します。
当院では、更年期症状に合わせた治療(HRT・漢方など)をご提案しています。
1. ホルモン補充療法(HRT)とは?
更年期に減少する女性ホルモン(エストロゲン)を補うことで、
つらい症状を改善する治療です。
内服薬・貼り薬・ジェルなど、体質や症状に合わせて選べます。
2. HRTのメリット
① 更年期症状の改善
HRTの最大のメリットは、症状の改善効果が高いことです。
- ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)
- 発汗
- イライラ・気分の落ち込み
- 不眠
- 動悸
これらの症状が数週間〜数か月で軽くなる方が多いです。
② 腟の乾燥・性交痛の改善
エストロゲンの低下で起こる腟の乾燥や痛みも改善しやすくなります。
③ 骨粗しょう症の予防
エストロゲンは骨を守る働きがあるため、HRTは骨密度の低下を防ぐ効果があります。
④ 動脈硬化の予防効果
閉経後に増える動脈硬化のリスクを下げる可能性があるとされています。
3. HRTのデメリット(注意点)
① 不正出血が出ることがある
治療開始直後は、ホルモンバランスが整うまで不正出血が起こることがあります。
② 乳房の張り・むくみ
エストロゲンの影響で一時的に起こることがあります。
③ 血栓症のリスク
HRTにはごくわずかに血栓症のリスクがあります。
ただし、貼り薬やジェルはリスクが低いとされています。
④ 乳がんリスクについて
長期間(5年以上)の使用で、乳がんリスクがわずかに上昇する可能性があります。
定期的な乳がん検診を受けることで安心して治療を続けられます。
4. HRTが向いている人・向いていない人
向いている人
- 更年期症状がつらく、生活に支障がある
- ホットフラッシュや発汗が強い
- 腟の乾燥・性交痛が気になる
- 骨粗しょう症が心配
向いていない人(慎重に判断が必要)
- 乳がん・子宮体がんの既往がある
- 血栓症の既往がある
- 重度の肝障害がある
診察でリスクを確認しながら、最適な治療方法をご提案します。
5. HRT以外の選択肢
HRTが合わない方には、以下の治療もあります。
- 漢方薬:体質に合わせて調整
- プラセンタ療法
- 抗うつ薬・抗不安薬(必要に応じて)
- 生活習慣の改善
症状や体質に合わせて、無理のない治療を選ぶことが大切です。
6. 受診のタイミング
以下のような場合は、産婦人科の受診をおすすめします。
- 更年期症状がつらい
- ホットフラッシュが続く
- 眠れない・気分が落ち込む
- 腟の乾燥・性交痛がある
- 生活に支障が出ている
更年期は治療でラクになる時代です。
7. 当院での更年期治療について
- 産婦人科専門医が丁寧にカウンセリングします
- HRT・漢方・生活改善などから最適な治療をご提案
- リスクを確認しながら安全に治療を進めます
- 定期的なフォローで安心して続けられます
つらい更年期症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
執筆者プロフィール
冨永 貴恵(とみなが きえ)
産婦人科専門医|薬院きえレディースクリニック院長(福岡・薬院)
福岡市薬院エリアで、女性の「ちょっと気になる」を気軽に相談できる婦人科を目指しています。
生理痛・PMS・更年期・おりもの・妊活など、年齢に関わらず多くの女性が抱える不調に寄り添い、
“不安をひとりで抱え込まない医療”を大切にしています。
ブログでは、産婦人科専門医としての知識を、やさしく・わかりやすくお届けしています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。