- 5月 22, 2026
- 5月 21, 2026
ピルの種類と選び方
「ピルを飲んでみたいけれど、種類が多くてよく分からない」
「避妊だけでなく、生理痛やPMSも楽にしたい」
ピルは、避妊だけでなく生理痛・PMS・ニキビ・月経不順の改善にも使われるお薬です。
ただし、目的や体質によって選ぶ種類が変わるため、正しく理解することが大切です。
この記事では、産婦人科専門医の視点から、
ピルの種類と、目的別の選び方をわかりやすく解説します。
1. ピルの基本の種類
① 低用量ピル(OC:避妊目的)
- 主な目的:避妊、生理周期のコントロール
- 自費診療になることが多い
- 正しく飲めば避妊効果は99%以上
② 超低用量ピル(LEP:治療目的)
- 主な目的:月経困難症(ひどい生理痛)、子宮内膜症の治療
- 保険適用になることがある
- エストロゲン量が少なく、副作用を抑えた設計
③ プロゲスチン単剤ピル(スリンダなど)
- エストロゲンを含まないピル
- 血栓症リスクが低いとされる
- 授乳中・エストロゲンが使えない方にも選択肢になる
④ 緊急避妊ピル(アフターピル)
- 避妊に失敗した性交後に使用
- 普段飲むピルとは別物で、常用は不可
2. ピルの「世代」と「相性(1相性・3相性)」
● 世代(黄体ホルモンの違い)
- 第2世代:レボノルゲストレル(トリキュラーなど)
- 第3世代:デソゲストレル(マーベロン・ファボワールなど)
- 第4世代:ドロスピレノン(ヤーズ・アリッサ・スリンダなど)
● 相性(1相性・3相性)
- 1相性:ホルモン量が一定で飲み間違いに強い
- 3相性:自然な周期に近い設計。不正出血が少ないと感じる方も
3. 目的別:ピルの選び方
① 確実な避妊をしたい
避妊目的なら低用量ピル(OC)が基本です。
- 第2世代:トリキュラーなど
- 第3世代:マーベロン・ファボワール
- 第4世代:アリッサ(ドロスピレノン配合)
アリッサはむくみ・体重増加が気になる方にも選ばれやすいタイプです。
② 生理痛・月経困難症を改善したい
治療目的なら超低用量ピル(LEP)が検討されます。
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
- ジェミーナ
- アリッサ(LEPとしても使用される)
③ PMS・気分の落ち込み・むくみがつらい
PMSやPMDDが強い方には、ドロスピレノン配合のピルが選ばれることがあります。
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
- アリッサ
- スリンダ(エストロゲンなし)
スリンダはエストロゲンを含まないため、頭痛やむくみが出やすい方にも選択肢になります。
④ ニキビ・肌荒れを改善したい
ホルモンバランスによるニキビには、以下が選ばれやすいです。
- マーベロン
- ファボワール
- アリッサ(男性ホルモン抑制作用がある)
⑤ 生理日をずらしたい(旅行・イベントなど)
一時的に生理日を移動したい場合は、
- 低用量ピルで周期調整
- 中用量ピルを短期間使用
⑥ エストロゲンが使えない・血栓症リスクが気になる
以下の方にはスリンダ(プロゲスチン単剤ピル)が選択肢になります。
- 授乳中
- 偏頭痛(前兆あり)
- 血栓症リスクが高い
- エストロゲンで頭痛が出やすい
4. ピルを選ぶときに大切なこと
① 自分だけで決めなくて大丈夫
体質・生活スタイル・症状によって合うピルは変わります。
「どれがいいか分からない」という状態で相談して大丈夫です。
② 副作用やリスクも確認する
ピルは便利なお薬ですが、血栓症などのリスクもゼロではありません。
医師と相談しながら安全に使うことが大切です。
③ 目的をはっきり伝える
避妊・生理痛・PMS・ニキビなど、困っている症状を具体的に伝えると、より合う種類を選びやすくなります。
5. まとめ|あなたに合うピルを一緒に選びましょう
ピルは、避妊だけでなく生活の質を上げるための選択肢です。
アリッサやスリンダなど、新しいタイプのピルも増え、より体質に合わせた選択ができるようになっています。
「自分にはどのピルが合うんだろう?」と思ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
執筆者プロフィール
冨永 貴恵(とみなが きえ)
産婦人科専門医|薬院きえレディースクリニック院長(福岡・薬院)
福岡市薬院エリアで、女性の「ちょっと気になる」を気軽に相談できる婦人科を目指しています。
生理痛・PMS・更年期・おりもの・妊活など、年齢に関わらず多くの女性が抱える不調に寄り添い、
“不安をひとりで抱え込まない医療”を大切にしています。
ブログでは、産婦人科専門医としての知識を、やさしく・わかりやすくお届けしています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。